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「人本経営の実践が必須となる時代」1    ダウンサイジングが経営課題となった現代

「人本経営の実践が必須となる時代」1    ダウンサイジングが経営課題となった現代

 

http://www.keieijinji.com/ 

 

「まったく日本人が来ない」

 某有名企業の関連会社の採用担当者が、求人を出しても日本人が応募にすら来なくなっていると嘆いていました。この手の話は、ここ数年でよく聞くことが本当に多くなりました。いよいよ人手不足常態化社会となったわが国では、多くの企業で経営のあり方を見直していかざるを得ない段階に入ってきていると強く感じています。
 とにもかくにも、人が採用できなくなった会社では、現有メンバーが離職しないよう「社員が辞めない会社づくり」をしていかないと話にならなくなってきています。その有力な答えは、人を大切にする人本経営の不断の実践と、それに成功して企業体を生まれ変わらせることだということを、ますますもって強く確信するところです。

 しかし、人本経営の実現にはどうしてもある程度時間がかかります。会社が生まれ変わるために、今後、多くの企業で実践されていくであろうことが、企業規模の適正化への取り組みということになるのではないでしょうか。

 

いかに適正にダウンサイジングさせていくか

 

 2017年、ヤマト運輸は業構造改革案を発表しました。「社員がイキイキと働ける職場を作り直し、社員の満足を高めていくこと」が最優先事項であると銘打たれ、それまでの低価格、大口優先、過剰サービスで拡大してきた経営のあり方を抜本的に見直すと宣言しました。

 実際、最大手顧客であったアマゾンとの取引を停止し、値上げ交渉を断行していきました。これまでの経営感覚からは大きく軌道を修正したと認識出来ました。その後、実に多くの企業で同様の取り組みが行われ、日本の企業社会で、まさしく音を立てて変革が進んでいるといってよい状況です。
 経済の最先端である物流の最大手ヤマト運輸が人手不足で売上拡大路線是正の取り組みを断行し始めたという象徴的な出来事でしたが、他にも営業時間の短縮、年末年始を休業にする飲食店や商店、24時間営業の見直しを考え始めたコンビニなど、関連するニュースが増えています。適正規模へダウンサイズしていくことを、これからの時代に経営者は求められてきているのです。


企業社会が変質し始めたことは疑いようがない

 

 大きいことはいいことだ、拡大再生産が是であると、経済社会はある意味疑いのない神話で成り立ってきました。しかし、ここに至って持続可能性を高めるためには、それが絶対解ではないという認識が先見のある経営者には広がっています。

 人本経営の要である、急成長ではなく安定成長による年輪経営が、期せずして社会的要請になってきたのです。ここ数年の対応が、その先の企業の栄枯盛衰を決するといって過言ではない状況です。

 業績軸から人本軸へ、この1年で企業社会が変質し始めたことは疑いようがありません。問題は、この経営改革の道を踏み外さないことです。長時間労働を前提とせず、現有人員体制で適正労働時間による企業経営をゴーイングコンサーンできる体制を再構築していくことが多くの企業で経営課題となっています。

 

月平均残業20時間程度をベースに再生の道を探る


 これからは長時間労働を前提にして現状の企業経営状況を続けていては、早晩、社員の離職を誘発していくことは確実で、もはや不可能です。よって月平均残業20時間程度をベースにして、企業規模をダウンサイズしていくことが必要になってくる企業はとても多くなると予測されます。

 極力残業をなくし、家庭と仕事を両立していく企業風土を人本経営によって確立していくことです。それが功を奏して、社員の生きがい、働きがいを高めていくことが出来れば、社風はよくなり、やがてその雰囲気のよさに触れて、新規募集者を確実に採用できるようになっていくはずです。

 

リストラを伴うダウンサイジングは破滅をもたらす

 

 いい会社に生まれ変わるために、それまで進めてきた売上至上主義の拡大志向の経営のあり方を改めていくことは、物事の発想が真逆となるので容易なことではありません。その際、決して安易に実行してはならないのがリストラです。人手不足で経営の持続可能性が下がっているところで社員のリストラをするようでは、この先取り返しがつかないことになるでしょう。しかし、今、金融業界で恐ろしいことが起きようとしています。

 

「銀行が消える日」がやってくる ついに大手銀行が大規模リストラへ(日経ビジネスonline)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021900010/111600056/


 みずほ銀行の支店など、国内拠点の2割に当たる約100店舗を削減、2026年度末までにグループの従業員を1万9000人減らす方針と報じられました。また、三菱UFJフィナンシャルグループも2023年度末までに9500人分の業務量を削減、三井住友フィナンシャルグループも2019年度末までに4000人分の業務量を削減する、としています。
 業務量の削減とは、またなんと姑息な言い回しでしょうか。長く続くマイナス金利で、もはやこれまでの伝統的な銀行業務が急速に儲からなくなっていることが原因だといいます。明治維新、戦前戦後に次ぐ新たな70年周期として、資本主義から人本主義への時代変化が起きていることをお伝えしてきました。そして、かつて殿様や大日本帝国が滅んだように、それまで世の中の支配的だった存在が失われるのでは、と指摘していましたが、その正体がいよいよ見え始めてきたのかもしれません。

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