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「社員のやる気を引き出すには」3        個人の役割を活かす目標設定

「社員のやる気を引き出すには」3        個人の役割を活かす目標設定

多くの会社で年間もしくは半期に1回、個人の目標設定を行っています。しかし、個人目標の設定が人事考課の評価基準としてしか活用されていなかったり、半年や1年に1回の単なる儀式になっていたりするケースも少なくありません。

そこで、会社を元気にするために個人目標の設定を活かしていく方法を考えていきましょう。

 

ポイント①:業績軸の売上目標から、定量+定性の目標へ

 

2015年、示達予算による押し付けが原因となり、大手電機メーカーの不健全経営が露呈し、経営陣が追及を受けました。経営陣から強制的に示達された売上目標は、各事業部から各部にそして各社員へと割り振られ、ストレスとなって拡がり、組織全体が疲弊していきました。その結果、社員の不満が内部告発として噴出しました。

目標を立てることは社員の行動を考えさせる一つのキッカケとなり、やる気を起こさせる要素になりますが、方法を間違うと単なる“ムチ”となるだけで、社員や組織全体を負のスパイルに陥らせる結果となる危険性を持っています。

その大きな要因となるのは、会社の業績のみを考えた売上目標。売上目標は、ビジネスの状況を客観的な視点で評価する指標としては非常に明確ですが、数字だけではその裏側にある背景や問題点が浮かび上がってこないため、根本的な改善ができないだけでなく、今後の経営方針を見誤る要因となります。それでも、経済が成長期であるのであれば、問題はさほど大きくならずに進めることができたでしょう。しかし、現在の経済の状況では問題が噴出するのは時間の問題だったのです。

そのため、目標は数値目標のような定量的な目標だけでなく、定性的な目標を加えることがポイントです。社員視点で業務範囲の問題点や改善点を発見するキッカケとして活かし、解決する努力を目標に加えることで改善できます。

 

ポイント②:会社視点に個人の視点を加える

 

例えば、人本経営のパイオニアの昭和測器では、「自分のやりたいこと」「自分が実現したい理想」を個人目標に加えています。同社のモットーは「一灯照隅」。社員一人一人の灯が照らせる範囲は小さいものの、自分の業務範囲を照らせれば、会社としては大きな灯になるという考え方です。つまり、社員の自己成長ややりたいことを個人目標として考えることは、社員それぞれの目標達成により、会社自体が成長していく流れにつながるのです。その意味では、会社視点に個人の視点を加えることは、会社に自分を役立てていくことを考えさせることなのです。

また、同社では個人目標を立てるだけでなく、個人目標を発表する場を設けています。他の社員に自分の目標を発表することで、目標を達成する決意を創り出すだけでなく、その目標を知った他の社員からの協力を得ることができ、目標達成を促す環境つくりを強化できます。

こうした発表の場は、決算や期末の結果や成果を発表する場としても有効です。社員それぞれが目標達成のためにどのような行動をしたのか、どこでつまずいたのかを会社全体で共有することで、他の社員に気づきを与える場として、また、その解決法を社員全員で考える機会として活用できるからです。

 

ポイント③:会社の目標を社員自らがブレイクダウンして考える

 

個人目標は、社員一人一人が納得できる目標で、しかも先行きが見える目標設定である必要があります。それには会社の経営方針を部署ごと、社員ごとに考えてブレイクダウンしていく必要があります。特に社員自身が考えて目標を設定することは重要で、自分で出した結論には納得どころか、責任感が生まれるので、目標を自分ごと化できる効果があります。

人本経営の代表企業、伊那食品の会社全体の目標は、継続して「去年を超える」こと。これは決して売上数十%増を目指すことではありません。仕事の質を高めるための問題点を改善することで、結果として去年を超えていくことです。そのために、社員全員がそれぞれの立場で仕事を捉え、自分のパートでどのような問題点があるのか、どんな形で改善できるかを考えて、目標が設定されています。会社としての目標は変わりませんが、環境の変化やトラブルの改善などで、その都度、個人目標は変わっていきます。一人一人の目標は形を変えますが、全体としては常に同じ会社の目標につながっていきます。

会社の目標をブレイクダウンすることは、社員が社内での自分の役割を考えることに他なりません。そのため、単に個人プレーに走り、チームプレーに支障が生じることを防ぐことができます。

 

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