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「人本経営の実践が必須となる時代」4    人本経営では社長の本気度が試される

「人本経営の実践が必須となる時代」4    人本経営では社長の本気度が試される

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 人本経営の重要性に気づいて、経営のあり方を業績軸から幸せ軸へ一変させていく決意を固め、行動に移ります。

 

 いくら経営者や経営幹部が本気で人本経営を志したとしても、事態が明日から一変する訳はありません。現実的にはいろいろなことがそれまでと同様に発生してくることになるでしょう。

  いろいろと経営判断をしなければならない事案に遭遇した時に、どのように考え行動をしていくか、その際に「本気で人本経営を目指そうとしているのか」を推し測られることになります。そして、その行動によって人本経営という形に近づけるのか、近づくことを妨げるのかが決定していきます。

  日々この繰り返しで、今日の判断が人本経営に向かう行動であれば、確実に会社は人本経営に近づき、社員たちの心に届き始めます。それが炭火の種火となって、一人また一人と社員の心に着火していき、社風がよくなっていくのです。

 

試され場面 その1 顧客との関係

 

 まず、これまで取り引きしてきた顧客との関係を考える場面は往々にして出てくるでしょう。「経営をしているのだから、1円でも多く売り上げたいし、利益を上げたい」――社長なら誰しも思うところです。ここがいちばん最初の「試され場面」となります。確かに売上が上がっているけれども、その成果の陰で心を折りながら仕事をしている社員がいるとしたら、あるいは、その慣行を続けているせいで長時間の残業を余儀なくされているのだとしたら、本気の決断を人本経営者ならしていただきたいのです。

  人本経営を貫いているある会社の社長は、お客様本位で仕事をしていくので、お客様に喜んでもらえることを第一に考えています。しかし、「自分たちの努力や価値を感じていただけない取引先はお客ではないと考えている」と公言しています。同社の製品を購入した先で、メンテナンスに行っている若い社員が下請けのごとくあしらわれていると聞き及んだ時、その社長はすぐに駆けつけ先方の社員に啖呵をきって、本人いわく「どつき倒した」そうです。どんなにつらくとも社員の口からは「その仕事をやめる」とは客先で云えないのだから、社員がののしられたり、馬鹿にされたりすることを絶対に許さないと決めているそうです。こんな行動を目の当りにしたら、社員の心に火が着かない訳はないのです。

  また、別の会社では、たくさんの注文をいただき、いつも受電が鳴りっぱなし状態です。お昼時も、定時後も電話が鳴り続けています。それに対応していると、いつまで経っても適正な労働時間で仕事をしていくことは叶わないと考え、社長は決断しました。「もう電話取らんでええ。」担当している社員たちは、19時位までなら残業してもかまわないと進言しましたが、「あかん、18時までが当社の営業時間や。これからはそうする。」と本気の判断を示しました。これもまた、「社長は本気だ」と社員に伝わらない訳がないエピソードといえるでしょう。

 

試され場面 その2 労基署調査

 

 「わが社は人を大切にする人本経営を実践しています」と言っても、労基署の職員にはまず伝わりません。賃金台帳、賃金規程、三六協定をみて、労働基準法に違反していれば、容赦なく是正指導がされていきます。前出の受電調整をした会社にも、先ごろ監督署の調査があり、割増賃金の基礎に複数の手当てが含まれていないこと、さらに三六協定で締結している時間外労働を超えて残業が発生していることに是正勧告がなされました。

  この際も、会社が人本経営でいくのかが試される決定場面となります。手当を残業代に含んでいなかったのは知らなかったためであるから、今後は含んで支給することにしようと決断し、三六協定については、今まさに業務量を調整しようとしているときに起きたのだから、これは天啓と捉え、三六協定の範囲内で労働時間が収まるよう業務改善するいい機会にしていこうと決断しました。小手先の手法、例えば前払い固定残業代制度を導入して緩和をはかるなどの措置も考えられるところですが、その社長はこれまでの経営の前提が間違っていたのなら、それが本質問題であると捉え、厳格に労基法を順守して正々堂々と人本経営を断行していくことを決意しました。

  いったん売上は下がり、人件費のコスト増を招き、収益性が悪化する可能性は高いでしょう。しかし、前提条件をきちんと人本経営が永続できる体制にしていくことで、長い目で見たときの会社の将来は確実に明るいと断言できます。これからも見守っていきたいと考えています。

  このように、人本経営を志した後の経営陣の本気の行動が、人本経営を確実に加速させていくのです。

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