- 2020.01.14
- 実践ヒント〜人本経営を実現させるには〜
企業風土の健全性をはかるポイント
健康経営と人を大切にする職場づくり 2
健康診断で、実際に社員の健康状態が把握できます。では、企業風土の健全性はどのような指標を用いることで推し量っていけばよいでしょうか。
これは人本経営に成功している企業で達成している事項を裏返しにしていくことで指標化ができそうです。以下、思案してみましょう。
1.仕事に対する意識
- 現在の自分の仕事はやりがいがある
- 自分の仕事の役割は明確でやらされ感なく仕事ができている
- 仕事を通じて達成感を感じている
- 仕事により自己成長を感じている
- プレッシャーを感じることなく落ち着いて仕事ができている
- 特定の人に仕事が偏っていると感じることはない
2.職場での人間関係の質
- 自分と上司との関係はよい
- 自分と同僚との関係はよい
- 上司・先輩等で尊敬している人物がいる
- 上司はチームワークづくりに配慮している
- 仕事をしていて周りから支援されていると感じることが多い
- 職場には仕事に厳しく向上心のあるメンバーが多いと感じる
3.職場の雰囲気
- 所属する部署では率直に意見具申できる雰囲気がある
- 部門間、部課間の連携はうまくいっている
- 性別に関係なく働ける雰囲気がある
- 所属する部署は明るく雰囲気はよい
- 職場で自分が役に立っていると感じられる
4.人材育成
- 教育訓練の機会は十分に与えられている
- 自分の仕事上の将来的な姿がイメージできる
- 自分に対する人事考課は公平で納得できる
- 自分の目標は明確である
5.職場の環境
- コンピュータ、工具等の機器・道具類は十分に整備されている
- 仕事をしている場所の安全管理状態は良い
- 仕事をしている場所の作業環境(空調・騒音・広さ等)は良い
- 整理・整頓・清潔・清掃への意識が高く実践されている
6.将来展望
- 会社の経営理念・経営方針に共感できる
- 会社に愛着を感じている
- 会社に将来性を感じている
- 今後も今の会社で働き続けたい
7.ワークライフバランス
- 会社は家庭の事情・都合を考慮してくれていると感じる
- 仕事と家庭が両立出来ている
- 会社は家族に対する気遣いもしてくれていると感じる
- 会社は社員の健康増進に気を配っている
このような設問をして、「そう思う・まあそう思う・あまりそう思わない・そう思わない」の4段階でチェックしてもらい、どの程度の充足感を感じているか、意識調査をしていくのです。
一般的に指数度として「そう思う」と70%以上の社員が回答していれば企業風土の健全性はとてもいい状態といえるでしょう。60%で問題ないレベル、50%だと普通、40%以下を示した場合、慶全性を損なうリスクが高く改善が必要な段階にあると判断できるでしょう。
以上は定性的な調査になりますが、これに次のような定量面での数値を加味しては社風の健全性を推し量っていきます。
定量面の項目
- 5年平均の離職率
- 年間でみた1月あたりの平均残業時間
- 新卒採用件数の5年推移
- 65歳以上の高齢者雇用率(あるいは継続雇用率)
- 休日日数
- 有給休暇取得率
- 育児休業取得率および復職率
- 報酬の業界平均、世間相場との比較 など
いわゆる「いい会社」度の判定というような形になりますが、こうした社員意識調査で一定のスコアを上げられていることを確認することで、さらに自信をもって健康経営の邁進ができるものと考えます。
株式会社シェアードバリュー・コーポレーションでは、このような企業風土の健全性をはかる「社員意識調査」をサービスとして行っていますので関心がある方はご照会ください。
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執筆者:小林 秀司
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション代表取締役。
人を大切にする「いい会社」づくりのトータルプロフェッショナル。内閣府認定
「地域活性化伝道師」。
社会保険労務士。法政大学大学院中小企業研究所特任研究員。企業内で行う「社風をよくする研修」
の実践を得意とする。また行政機関でも多くの講演実績がある。
著書に「人本経営」(NaNaブックス)、「元気な社員がいる会社のつくり方」(アチーブメント出版)等がある。
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