社員満足を上げ、働きがいのある会社へ「元気な会社をつくるプロジェクト」
  • 2020.01.12
  • 実践ヒント〜人本経営を実現させるには〜

社員第一と顧客との関係性を明確に標語化する

やらされ感のない職場を作るには 3

社員第一主義について頭で理解できるが、体感がどうもしっくりこないという場合が、幸せ軸の人本経営に舵を切った当初は起きるかもしれません。そこで、社員第一とお客様との関係性についても標語化して明確にしておくことが大切です。このことに知恵を使って、うまく人を大切にする会社づくりを行っていきましょう。これまで視察した各社で参考になる例をいくつかご紹介していきましょう。

「社員第一主義・顧客本位主義・社会貢献主義 

これはわかりやすいです。
社員の幸せ充足を第一で考えるけれども、思考をしていく時にはお客様の側に立った行動をしていきます。そして、会社は社会に役立つことを結果として成し続けていきます。関係性が非常に腑に落ちてきます。

「会社は社員のため、商品・サービスはお客様のため

これもいいです。会社は誰のためにあるかといわれれば、それは社員の幸せを増大させるために存在しています。その増大は提供する商品やサービスを通じてお客様からもたらされる感動や感謝から引き起こされるものです。こんな意味付けでしょうか。お客様を幸せにするから自分たちも幸せになる、この感覚を全員が共有することで矛盾ない社員第一主義が実現されていくでしょう。
参考にして皆が感じ合える標語をつくっておくとよいでしょう。そしてもう一つ。

「社員は社会のために、私は社員のために、仲間のために尽くす」

これは人本経営を実現した経営者が社員に対して語った言葉です。これもぐっときます。そして、本当に社長がそのことを実践しているなと社員が感じるようになれば、職場の空気感がものすごくよくなっていくだろうと想像ができます。
会社で過ごす時間は長い。
この時間を楽しく過ごすことができるかどうか、それは人生の幸せ感を左右することになります。そして、本当にこの会社で働いていることで幸せだと感じる社員が増えれば増えるほど経営者もまた、会社に関わる時間が楽しくて仕方なくなってくるのです。善循環を生み出していきましょう。社員第一主義に成功していくと企業をとりまくあらゆる関係の質が向上していくのです。

執筆者:小林 秀司

株式会社シェアードバリュー・コーポレーション代表取締役。
人を大切にする「いい会社」づくりのトータルプロフェッショナル。内閣府認定
「地域活性化伝道師」。
社会保険労務士。法政大学大学院中小企業研究所特任研究員。企業内で行う「社風をよくする研修」
の実践を得意とする。また行政機関でも多くの講演実績がある。
著書に「人本経営」(NaNaブックス)、「元気な社員がいる会社のつくり方」(アチーブメント出版)等がある。