社員満足を上げ、働きがいのある会社へ「元気な会社をつくるプロジェクト」
  • 2020.01.13
  • 実践ヒント〜人本経営を実現させるには〜

生産性向上させるステップ(2)

生産性を向上させるメンタル対策 4

では今回からは、社外の専門家を上手に活用しながら「社内ストレスを解決しながら生産性を向上させるための6つのステップ」について解説していきましょう。何をやるのかについて結論から端的に言いますと、全社員または、ある特定の階層、職位の方々全員に実施する社外メンタル専門家による「ストレス面談」です。
6つのステップを踏みながら実行していきます。

STEP1 経営トップの宣言

社内のストレスを解決しながら生産性を向上させるためには、まず、スタートとして絶対に欠かせないのが、トップの宣言です。社員に対して何を宣言するかと言うと、「皆さんが、今以上働きやすいと感じる職場にするために、ぜひ社外のストレス専門家に頼んで職場のストレスを改善します。ぜひ率直な話をしてください。出された意見は匿名でしか上がってきませんからご安心下さい。出された意見すべてに対応できるとは約束で来ませんが、意見が多くてすぐできることについては取り組みます。」
このようにトップが宣言することで、それならば率直に言ってみようと社員は思うのです。

STEP2 マイナスからゼロへの社員支援を行う

STEP1を行ったうえで次に行う事は、社外ストレス専門家による社員への直接面談です。社員が抱えているストレスを解消する支援で、マイナスをゼロに持っていく支援です。「本当はこうなれば会社はもっとよくなるのに」「今まで言えなかったけど実はお客さんからこういう手厳しいクレームが来ている」「経営層のこういう言動がやる気をなくさせる」「自分の意見をもっと取りいれてもらう仕組みを作ってほしい」「このままでは会社に将来が心配だ。なぜ、こういうことをしないのか。すれば成功するのに」など。実に様々で、時には手厳しい意見が出されます。
いきなり面談する前に事情が許すのであれば、ストレス専門家による挨拶がわりの基礎セミナーを行うとよいでしょう。
このステップを成功させる最大のポイントは、「社員の激しいストレス、不満感情を鎮める確実な面談テクニックがあること」です。実は激しいマイナス感情は、脳内の感情の発生装置である扁桃体(へんとうたい)という部位の慢性的な興奮から作り出されます。
面談者にこの扁桃体の興奮を短時間で確実に鎮める技術がないと、社員は延々と不満を爆発させ続けることになりおさまらなくなるのです。弊社顧問である筑波大学名誉教授・宗像恒次博士が開発した脳科学に基づくSAT法と言う面談技術は、確実に扁桃体興奮を短時間で不安、怒り、悲しみなどの激しい感情を鎮めることができる、数ある心理療法の中で唯一の手法を持っております。
*SAT法=StructuredAssociationTechnique(構造化連想法の略)。厚労省HP
「こころの耳」では、ヘルスカウンセリングと言う名称で掲載されており、数あるカウンセリングの中で唯一「メンタルヘルスカウンセリングを行うカウンセリング」と紹介されている政府も認知している信頼性あるストレス解消面談技術です。

STEP3 ゼロからプラスへの社員支援を行う

STEP2を成功させると社員のマイナス感情、ストレスは大きく静まり、やっとゼロベースのレベルに戻ります。そこでやっと前を向けるようになるのです。そこで次に行うのが、ゼロからプラスへの支援です。
実は弊社で非常に数多くの社員面談を実施してきましたが、高ストレス者と呼ばれる社員の多くは、何が原因でストレスになっているかと言うと、自分自身の仕事を成功させるスキルがないために悩んでいることが多いのです。
たとえば、「目標達成の方法がわからない」「上司との付き合い方がわからない」「部下の動かし方がわからない」「他部署との連携の仕方がわからない」「自分自身の課題の解決法がわからない」「自分のストレスの解消法がわからない」「上司に評価される報告の仕方がわからない」など。
こうしたことがよくわからなくてストレスに陥り、うまくいかず悩んでいる人が少なからずいるのです。これは病気ではありません。仕事のやり方がわからないという問題です。そこで具体的な仕事の進め方のスキル、知恵を一緒に考えることで将来への明るい見通しを作る、ということです。これがゼロレベルからプラスのレベルに持っていく支援です。
マイナスをゼロにし、次にゼロをプラスにすることで、社員の皆さんは充足され、ここでやっと会社に対して前向きな意見を出せるレベルになるのです。 

STEP4 会社への前向きな要望を引き出す

STEP2,STEP3を行うと、社員は基本的に満足しますので、やっと会社に対して前向きな意見を出せるようになります。たとえば、「会社はこういう方向に進むともっとよくなるんじゃないか」「こっちに目を向けると新たなビジネスチャンスがあるのではないか」などです。この二つのステップがうまく処理できないと、会社に対して不満や文句をしか出てこないことになります。生産性を向上させるメンタル対策を成功させるには、マイナスからゼロ、ゼロからプラスの両方の支援を成功させられるプロがいなければなりません。
今現在、メンタルにかかわっている専門家の多くは、マイナスをゼロにもっていく専門家として医師、産業医、産業保健スタッフ、カウンセラー、セラピストなどがいる一方で、ゼロをプラスに持っていく専門家としては、コーチ、キャリアコンサルタント、などの方々がおられます。
彼らの多くがどちらか一方の支援なのです。医師がゼロからプラスの支援をすることはほとんどありませんし、コーチがマイナスをゼロに持っていく支援をすることはほぼありません。
弊社顧問である筑波大学名誉教授・宗像恒次博士が開発した人間総合支援スキルであるSAT法は、マイナスをゼロに持っていく手法としてSATセラピー法を持ち、ゼロをプラスに持っていく手法としてSATコーチング法、SATソーシャルスキル法を持っております。
2つの分野の技術を総合的に駆使することにより、メンタルストレスを解消し仕事力を向上させ、その結果会社への前向きな意見を引き出すことに成功するのです。

STEP5 要望・意見の集約。そしてトップへの匿名での報告

さまざまな要望、意見は分野別に分類します。そして匿名にしてトップへ報告します。よく出てきた意見に対して負担を感じる経営者がおられます。それは、出てきた要望、意見に対してすべて応えなければならない、と考えるためです。
実はそんなことをする必要はありません。出てきた要望、意見には次の3種類があります。「すぐできる重要なこと」「時間がかかること」「そもそも無理なこと」。社員も言ってもすぐにはできないことがあることはわかっています。きちんと受け止めたことを社員に伝えればよいのです。
たとえば、部署を移動させてほしい、などの意見が出ますがこれなどは会社の事情によって、できないことがあります。しかし、すぐにはできないがそういう意見があることはわかったので、それを反映できる仕組みがないかどうか考えていく、というメッセージを社員に伝えれば大丈夫です。
こういう取り組みを何年も重ねることで、「トップはきちんと自分たちのことを考えてくれるんだ」がという信頼が生まれ、それがモティベーションアップ、生産性向上につながっていくのです。

STEP6 組織改革を実行する

同じ意見が多く、すぐにできそうなことから実行に移していきます。この段階で一番重要なことは、出た意見に対して会社はどう考えたのかをフィードバックすることです。これがないと、「結局、言っても無駄だった」と社員に思わせることになりますので、これでは逆効果です。
それとここは注意点になりますが、トップから見ると「え?そんな(レベルの低いこと)で、皆が困っていたの?」と思うようなことが出てくると思います。しかしこの後の他社導入成功事例を読んでいただければわかると思いますが、トップから見た「そんなこと」で皆はストレスに陥っているのであり、「そんなこと」をトップが解決する、と決めたからこそ大きな売り上げや莫大なコストダウンを成功させているのです。
「そんなレベルの低いこと」だったからこそ今までトップは気が付かなかったともいえますので、社員のメンタル上の要望や意見は、重要な生産性向上のネタととらえることが成功させるコツです。

執筆者:山本 潤一

日本メンタル再生研究所・所長
「あるがままの自分らしさを表現することで、幸せに生き働く人を増やす貢献をし、皆が豊かになれる
社会を作る」をミッションとしている。
個人の幸せな生き方・働き方支援を行うメンタルプロフェッショナル。
ヘルスカウンセリング学会公認心理療法士、キャリアコンサルタント。
元東京医師会医院
著書・「医療福祉の現場で使える、心が通い合う会話術(日総研出版)