社員満足を上げ、働きがいのある会社へ「元気な会社をつくるプロジェクト」
  • 2020.01.12
  • 実践ヒント〜人本経営を実現させるには〜

家族の応援が必要な理由

社員の家族が応援する会社へ 1

実は、元気な会社をつくるには、社員の家族の応援が必須です。というと、「どうして社員の家族が応援してくれる会社になる必要性があるのか」「どうして家族の応援が元気な会社につながるのか」という疑問が生じるでしょう。家族の応援を得て元気な会社にする具体的な方法を紹介する前に、まず家族の応援の必要性とその効果についてお話しします。

社員と家族には仕事に関する認識が違う

一般に社員の家族は、会社から給与をもらい生活を維持できていることを、頭ではわかっているものの、社員が夜遅くに帰ってきたり休みが合わなかったりすると、会社や仕事に対して不満を感じるものです。家族には、社員の仕事の内容や会社の状況は“他人ごと”で、自分たちの生活そのものが、良し悪しを判断する要素となるからです。家族にとっては、より豊かな生活をおくることや、家族と一緒に出かけるレジャーこそが、具体的に満足を感じることにつながります。
それに対し、社員は家族の一員であり会社の一員でもあるので、「家族の生活」と「会社での仕事」のバランスを常に考えています。以前の“モーレツ社員”ほどは「会社での仕事」を重視しなくなったとはいえ、サラリーマンである以上、無視できない要素には変わりありません。そう考えると、社員とその家族との間には、会社や仕事に対する認識のズレが生じるのは当然のことです。

社員の幸せは家族の理解が影響する

実は、会社での出世を望まず、家族との生活の充実を一番に考える社員が増えてきています。家族に認められたい社員が増えてきているのです。そのため、家族の会社や仕事への不満を解消し、家族に認めてもらうことが、社員の幸せへの近道といえます。家族の不満があると社員の働き甲斐がなくなるので、会社としては、家族のために頑張れる環境を創り上げる必要があるのです。
“ワーク・ライフ・バランス”が提唱される今、会社の経営としても、これまでの業績軸ではなく社員の幸せ軸で考えることの重要度が増してきています。会社と家族との距離を縮めることで、社員と家族との認識のズレをケアすることができ、社員のモチベーションを高めることができます。社員が元気で仕事を頑張ろうと思える会社にすることで、会社が元気になることにつながります。そのために、家族の理解や応援を得る必要があるのです。

社員の家族の応援を得るポイント

社員の家族が会社への理解を深め、応援したくなるには、いかに会社を“自分ごと化”できるかがポイントです。それにはまず、家族が「会社と仕事に接する機会」を設けましょう。会社の行事に積極的に家族の参加を求め、会社や仕事について知ってもらう機会を創りだすこと。例えば、会社の創立記念日に、家族に会社に来てもらう「キッズ会社訪問」や「家族参観日」などの事例があります。
次に、「社員のメリットを家族のメリットに広げる」こと。これまで社員のみで行ってきた社内リクレーション、例えば、食事会やBBQ、運動会、クリスマスパーティなどに家族が参加しやすいプログラムへの参加も呼びかけることが一番簡単です。健康チェックやウォーキングなどの健康に関するイベントは、家族も参加してもらうことで、家族の健康を気遣う会社の姿勢を訴求できます。また、ビーチクリーンなどのCSR活動では、その対象を家族のいる地域に設定すれば、家族もその意義や役割を、自分たちのメリットとして感じてもらえるでしょう。
さらに、福利厚生を家族対象に広げる企業も多くあります。社員旅行に家族を招待したり、誕生日や結婚記念日など、家族の記念日を休みにしたり、家族に花を届けたり、さまざまな取り組みが行われています。

執筆者:松宮 洋昌

株式会社イベント・レンジャーズ代表取締役。
「シャカイの課題」や「カイシャの課題」をイベントを通じ解決することをミッションとしている。
「シャカイ」や「カイシャ」の課題の多くは。コミュニケーションの問題によるところが多い。
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