社員満足を上げ、働きがいのある会社へ「元気な会社をつくるプロジェクト」
  • 2020.01.13
  • 実践ヒント〜人本経営を実現させるには〜

現場適用の諸注意

生産性を向上させるメンタル対策 5

さて、ここからはSTEP1~STEP6までを成功させるうえでの注意点を解説したいと思います。

1)やろうとしている本質をよく理解する事

STEP1~STEP6までの手法は、下記の3つのポイントをよく理解しないとうまく行きません。それは何かと言うと、

  1. うつ、メンタル不調は脳内の感情の発電装置である扁桃体(へんとうたい)によって引き起こされるという事。
  2. 扁桃体は、周囲の表情や声のピリピリトゲトゲの信号などに敏感に反応するということ。
  3. 職場で働く人々の表情、声のトーンをほんわかあったか信号に変えることでと生産性が初めて向上するということ。

順にご説明します。
2013年10月20日にテレビ放映されたNHKスペシャル「病の起源うつ病」や2016年6月18日にテレビ放映されたNHKスペシャル「キラーストレス」でも専門家から解説されたように、うつやメンタル不調を作り出す慢性的なストレスは、脳内の感情の発電装置である「扁桃体」が作り出している、と言うことが少しづつ知れ渡るようになりました。

弊社顧問である筑波大学名誉教授・宗像恒次博士は2000年以降、この扁桃体に注目し研究を続けてきましたが、博士の研究により扁桃体は実は、周囲のピリピリトゲトゲした「表情」や「声のトーン」に激しく反応し、うつやメンタル不調を作り出す恐怖感情や不安の感情を発生させることがわかってきました。
そして扁桃体の敏感な感受性を鎮め安定化させるためのSATイメージワーク法を開発し、某上場企業では3年半初回うつ休職者の再発率が0%いう結果に貢献しています。
現在、多くの企業ではうつやメンタル不調の再発を繰り返しています。それは、その会社の社員の表情や声のトーンがピリピリトゲトゲして険しいことが原因で、このことから扁桃体を守る対策を行っていないためです。
扁桃体を安定化させるには2つの方法があり、ひとつは本人にイメージワーク法を行い、本人の扁桃体感受性を改善することです。STEP2ではこれを行っているのです。
もう一つは、周囲の人の「表情」と「声のトーン」をほんわか、あったかなトーンに変えることです。このことでお互いの扁桃体を安定化させ安心安全な組織つくりを行うということです。
STEP1からSTEP6までの手順は、その人のあるがままの要望を吸い上げる仕組みで、そのことで一人一人のストレスを解放し一人一人を笑顔にすること、そして結果的に社員全員を笑顔にする、つまり、社員全員がほんわかあったかな「表情」「声のトーン」が出てくる組織にする、ということを行っているのです。
社員全員の扁桃体が安定化する組織つくりを行うために、行っていることなのです。このことをぜひとも、ご理解いただきたいと思います。扁桃体と言うのは非常に敏感な組織ですので、つくり笑いは通じません。社員全員が、自然な笑顔がわき出る組織つくり。これを目指しているのです。これを達成するために、社員一人一人のメンタル、ストレスを改善すると言うものを切り口にしているのです。
と言うことですので、面談者には扁桃体を安定化させることができる技術があることが非常に大切なポイントになります。もし身近におられない場合は、ご相談ください。

執筆者:山本 潤一

日本メンタル再生研究所・所長
「あるがままの自分らしさを表現することで、幸せに生き働く人を増やす貢献をし、皆が豊かになれる
社会を作る」をミッションとしている。
個人の幸せな生き方・働き方支援を行うメンタルプロフェッショナル。
ヘルスカウンセリング学会公認心理療法士、キャリアコンサルタント。
元東京医師会医院
著書・「医療福祉の現場で使える、心が通い合う会話術(日総研出版)