- 2020.01.14
サイバーエージェントは離職率が30%の時期がありました。
それは、成果主義を徹底していたため個人プレーが目立つようになり社内の雰囲気も良いとは言えず、大量の中途入社で、生え抜き社員と中途社員の対立が生じることもあったそうです。
新規事業では成功しないことも多く、撤退となった場合のフォローが出来ていなかったため優秀な人材が退職してしまったことも。
このようなことが起きてしまったことの原因は社長の人事に対する考え方が現場に伝わっておらず、言っていることと、やっていることが違うと感じさせてしまい、経営陣側と現場の間に溝ができてしまったためです。
この溝を埋めるために、経営陣と現場を結びつける存在に人事がなればいいと考え、経営陣の言葉をそのまま伝えるのではなく、言葉の本質を捉え、その本質を経営陣から現場へ、そして現場から経営陣へと伝えていくサイクルを築きました。
また、社内には横の連携がなく、助け合える関係が少なかったため、社員制度の信頼関係を高めるために制度をつくりました。
たとえば、「懇親会費用支援制度」です。この制度では、チームで食事にいく場合、1回1人5000円を支給し、お酒が飲めない人でも食事目当てに参加ができます。
また、「部活支援制度」もあります。多くの社員が、サッカーや、フラワーアレンジメント、ゴルフ、テニスなど20ほどの部活があり、それぞれに参加し活動しています。
これは、共通体験をつくるためです。共通体験がなく、仕事だけの関係だけでは、業務の話しかしないので、深いところでつきあうことができません。
サイバーエージェントでは、新規事業を立ち上げるときなど数人のチームでゼロからサービスをつくりあげていきます。
メンバーの関係性が密なチームと、そうでないチームではトラブルがあった際の粘りが全然違います。
トラブルを解決するには話し合いが必要で、チームで議論を重ね乗り越えなければいけませんが、信頼関係があまりないチームでは、それができないのです。
社員同士のコミュニケーションをとる機会は経営陣や人事側が働きかけなければ、現場任せだとあまりうまくいかず消極的になってしまいます。サイバーエージェントでは、こうした経営陣や人事側からの働きかけをダイアログ・マネジメントと呼んでいます。このダイアログ・マネジメントこそが、多くの組織に求められていることなのではないでしょうか。
また、会社が大きくなり、人数が増えたときの一番の懸念は「しらけムード」が広がってしまうことです。やりがいや、存在意義が見出せないといった「しらけ」は、組織に感染し蔓延してしまいます。この「しらけ」を経営陣が素早く感知し排除します。
このように、社員の働きがいを引き出すのも経営陣の役割なのです。
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