社員満足を上げ、働きがいのある会社へ「元気な会社をつくるプロジェクト」

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件数:92件
  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

モチベーション・マネジメントの必要性

社員のやる気を引き出すには 1

「もっと社員にやる気を出させたい」「進んで社員が動く会社にしたい」、そう願う経営者は少なくありません。事実、社員がやる気をもって働く会社は、会社全体で活気づき、自然と勢いが出てきます。逆に、社員のやる気がない会社ではどうでしょう。「社員の覇気がない」「社員が働く意欲を無くしている」「社員が会社に対して希望をもっていない」といったモチベーション低下の危機は、会社のサービスの質の低下、ひいては会社の付加価値が目減りすることを意味します。社員の仕事への集中力や妥協しない向上心、良いものを産み出そうとする意欲に、直接的に悪影響が出てくるためです。現在、長引く経済の低迷の影響を受け、業績を追求し続ける経営スタイルの企業の中には、社員のモチベーション低下の危機が深刻化しているケースが増えています。そこで、この悩みを解決する方法の1つ、『モチベーション・マネジメント』を紹介していきましょう。 『モチベーション・マネジメント』で元気な会社をつくる 言うまでもなく、企業成長にとって最大の資源はそこで働く社員たち、つまり人材です。その視点に立って考えると、社員のモチベーションの低下は、企業活動の根幹を揺るがしかねないと言えます。社員のやる気を高めるステージが提供できない企業は、激しい市場競争からの撤退もしくは後退を余儀なくされるでしょう。事実、昨今のニュースでは、これまでの業績軸での経営スタイルで、疲弊した社員や組織が要因となり、外資に身を売らざるを得なくなった企業や、技術の信用を失って経営の行き詰まりに陥っている企業が、大きな話題となっています。したがって、これからの企業経営において、社員のやる気を高める施策の『モチベーション・マネジメント』は、非常に重要なテーマといえます。ところで、“マネジメント”というと、管理や統制といった「上から押し付ける」「上から目線」のイメージが強いのですが、人本経営での『モチベーション・マネジメント』は違います。ここでは、社員が生き生きと働き、積極的に働きたいと感じる、社員の働きがいを持つことができる環境創りを、会社の方針として目指すことを基本とします。つまり、ひたすら指示通りに働くモーレツ社員や同じ機能を大量に育成する従来のスタイルではなく、顧客が会社に求めている期待以上のサービスを自ら考えて動くことがでいる社員に育成する“これからスタイル”に転換することとなります。これには、社長と社員全員の意識改革が必要で、いかに会社と社員の関係を再構築できるかがポイントとなります。考える社員が多くなると、次第に社風も変わり、元気な会社に変えることができます。 『モチベーション・マネジメント』は人材確保にも必要 情報技術の高度化、国際競争の激化、消費者ニーズの多様化など、会社を取り巻く環境は変化の一途をたどっています。環境変化の激しさが増していく一方で、商品やサービスのライフサイクルはどんどん短くなっています。この環境の中で会社が生き残っていくためには、新しい商品やサービスを生み出し続けて、競合企業以上の顧客満足を実現しなければなりません。それを実現するには、現場を支える社員のモチベーションを引き出していかなければ、目まぐるしく変わる環境への対応や様々な顧客のニーズに応えることができません。また、社員のモチベーションを維持できなければ、優秀な社員ほど「今の会社に働く意味や価値を見出せなくなった」と感じ、転職を決意するものです。会社にとって、優秀な人材が流出することは大きな損失です。このように、社員に対してモチベーションを高めることを提供できない企業は、市場での競争力を失うだけでなく、大量の人材やノウハウの流出という内部崩壊の危機に直面する恐れが出てきます。そして、社員がやる気をもって働いている様子を、社会や地域、家族、協力会社など会社を取りまく全ての人々が見ています。それで会社の印象や価値が変わってきます。すると「あの会社に働いてみたい」「働くならあの会社が良い」という評価が浸透し、自然と優秀な人材が集まってきます。社員がやる気をもっている会社には、良い人材を確保することができます。つまり、『モチベーション・マネジメント』は、会社や組織が継続的にビジネスを行うためにも、また優秀な社員をつなぎとめていくためにも、良い人材を確保するためにも必要となるのです。 社員のやる気は顧客の満足度に直接的に影響する 1994年にハーバード・ビジネススクールで『サービス・プロフィット・チェーン』という概念が提唱されました。この考え方では、会社が社員を大事にすれば、社員は顧客により良いサービスを提供するという原則がベースとなります。要は、社員満足(ES)こそが、顧客満足(CS)を生み出すキッカケとなるということです。この流れができれば、顧客の利用が増え、会社の売上と利益の増大につながります。そうして得られた利益をテコに、会社は社員満足と顧客満足をさらに高めることができるといった“好循環”が生まれていきます。この好循環は、小売業のみならず、あらゆるサービス業でも通用することが証明済みであると言われています。しかし、これは何もサービス業に限ったことでも、BtoCに限ったわけでもありません。例えば、製造業やBtoBのビジネス領域の場合でも、結局のところ、営業担当と顧客の担当者との関係に、ビジネスにおける顧客満足と成果が左右されます。社員満足を高くすれば、仕事のスピードを上げたり、その精度を高めたりする行動が生まれます。そのため、顧客対応が早くなり、さらには、顧客のニーズに先回りすることができるので、顧客満足が高まります。これはまさに『サービス・プロフィット・チェーン』と同じ流れです。サービス業だけでなくあらゆる業種において、社員のやる気を高めることができれば、顧客満足を高めていくことにつながります。この意味でも、『モチベーション・マネジメント』の大きな必要性があるといえます。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

業績軸からの脱却の実現

いい会社づくり、何から始めるか 5

人本経営について語ると、それは収益的に余裕がある会社だからできることというご意見をいただくことがあります。その通りです。逆に言うならば、収益性のあるビジネスモデルをつくり、実践しているから人本経営を行うことが出来るのです。人本経営うんぬん以前に、経営をしているのですから、稼いで儲けることは当然に出来ていないと話になりません。それを余裕がないからと一蹴していては永遠に今の状況から抜け出すことはできないでしょう。 現在の職業でさらに幸福感を増大させる方向を考える 景況感がどうあれ、社会から選ばれる、必要とされる存在になることこそが唯一の結論です。浮かれずに、どんなことで、今、潮流がやってきている人本主義社会が求める必要性に応えていくかを考え抜いて、職業人生を全うしていきましょう。ヒントは幸福感の増大です。今の職業で関わるステークホルダーの幸福感を増大させていくためには、どのような仕事をしていけばよいのか、考えるのです。掃除屋に勤めていると知られるのが嫌で社名を公言できなかった社員たちが、今では社名を名乗ることを誇りにしているのが四国管財、さんびる、ベルです。ビルメンテナンス業界で輝くこの3社、経営のあり方は本当にそっくりです。社員たちが会社に誇りを持てるための取り組みを一つ一つ丁寧に実践していきました。ベルの奥社長は「(人本経営の実践で)結果は出るかわからないけれども信じて行った。」と回想されています。 業績軸からの脱却を一日も早く実現する 今の時代、業績軸で他社と比較していても大きな成果は期待できません。必ず価格競争がつきまとうからです。ビルメンテナンスは外注先ビジネスで価格競争をさせられやすいのですが、前述の3社はいずれも口コミで業績を伸ばしていきました。お客様に「あの会社はいい」と口にさせるには、何が必要なのでしょう。役立つ、美味しい、面白い、楽しい、うれしい、いい感じ、成長できる、なくなってもらっては困る、ありがたい、調子いい、元気になる、感動する、親切、あったかい、やさしい…このようなステークホルダーを笑顔にする源泉が幸福感の増大につながります。今の仕事でそれが実現できるのはどういう時ですか。今、収益を生んでいなくともかまいません。こんな仕事だったら実現できるかもしれない、とイメージできるようでしたら、それを形にしていく現状打破をしていきましょう。その際、業界の常識に惑わされないことが大事です。業績軸から一日も早く脱却して、幸せ軸できれいごとを徹底していくこと――間違いなく、これがこれからの時代に持続可能性を高める経営を実現するための本質と断言いたします。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

対話を深め関係の質を高め続ける

いい会社づくり、何から始めるか 4

普通の状態の会社になるまでは、ある程度トップの強権発動をする必要がありますが、社風をよくして、やらされ感のない社員を輩出していくためには、どこかのタイミングで人本経営に舵を切る必要があります。言われたことをやるだけの社員から、自分の仕事にプライドを持つ社員へ育成していくために社員の個を認める会社づくりを始めていきます。そのために大切なことは対話の促進です。 本音を引き出す対話を実現するために 茨城県を中心に人気ファミリーレストランを展開している坂東太郎。やはり当初は苦労が絶えませんでした。青谷洋治社長は、親孝行という経営理念を掲げ、いい会社づくりをしようと考えていました。業績は急成長しましたが、離職者が後を絶たない職場になってしまい、皆を幸せにしているつもりだったのに、そうではないから 社員たちが辞めていくと悟り、心を入れ替えます。社員たちに本当に申し訳なかったという気持ちで向き 合い、膝を交えて素直に皆のことについて聞くために社長塾を開催していきました。3日間、全社員と対話するのです。社長にモノを言える日であり、青谷社長はとても緊張すると語られていました。人本経営を志す経営者は、社員との対話がとても大事だと気づき、そのアプローチをしていきます。しかし、本音を引き出すことはなかなか容易ではありません。どうすれば社員と本音で語り合うような対話ができるのか、青谷社長に尋ねてみました。返ってきた答えはこうでした。「確かに、むずかしいこと。本気で近づくために社員の家庭を訪ねたり、逆に自宅に呼んだり、家族ぐるみで社員たちと関わるようにしていった。」社員一人ひとりの家庭環境を知り、その社員は家族のことでどんな喜怒哀楽があるのかを知ったうえで声掛けをしていくのです。自分自身のことについて、ああでもない、こうでもないと言われることについてはあまり心に響かない社員でも、自分の家族のことについて、我が事のように 社長が喜んでくれたり、悲しんでくれたりしたら、確かに感じ入るだろうと思わされました。琴線に触れる、という感覚でしょうか。そんな場面があると、社員は「社長は本当に親身になってくれている」と感謝の念が湧いてきて、開襟しやすい状態になることでしょう。 人本経営は関係の質を高め続けていくこと 実践ヒント4「やらされ感のない職場を作るには」で紹介したように、仕事の結果には、組織内の人同士、あるいは組織と人との関わりの質が大きく影響を及ぼしています。相手との関係の質が向上すると、その相手ともっとよりよい関係性を築いていきたいと思考の質が向上していきます。思考の質が向上するから行動がよりよく変化してきます。この結果、以前よりも良い状況が生まれ、さらに関係の質が高められていきます。人本経営は突き詰めれば、関係の質を高め続けていく経営ということか出来ます。そしてこのことを続けていくと職場の空気感がよくなっていくのです。ある会社の社長が語っていました。「人本経営を志して行ったら、入浴剤を風呂に入れたときにお湯の色がみるみる変わるように、会社の空気感かよくなっていったように感じた。」この体験をぜひとも多くの方に味わっていただきたいと念じています。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

挨拶など当たり前のことか出来る普通の会社にする

いい会社づくり、何から始めるか 3

トップ、リーダーが本気の決断ができたら、次は同志である社員へ向き合うことです。いい会社をつくりあげた経営者に「御社のようになっていくために何から始めたらいいでしょう?」と尋ねると、「掃除と挨拶かな」と返ってくることが少なくありません。それほど基本なのだと感じます。 社員一人ひとりの意識を高める 乱雑で掃除も行き届いていないような職場の中では、よりよくしていこうという動機が働かないのは自明でしょう。いい会社を視察に行って、職場が汚いと思ったことは一度もありません。それどころか、まさしく整理、整頓、清潔、清掃が行き届いていて、ピカピカの職場環境を維持することへの努力を怠っていないということに目が奪われます。いわゆる5Sでは続いて「躾」となるわけですが、その会社を訪問して素晴らしい職場環境だと感心させられていると、決まって応対してくださる社員さんの笑顔や立ち振る舞いに「さすが」と唸らされていくのがパターンです。社員一人ひとりが人としての礼節を欠かさずに行動できるレベルに人間力を整えることです。実はこれはけっこう大変なハードルである場合があります。なにしろ、これまで幸せ軸の職場づくりをしている会社であることをメッセージして採用をしてきた訳ではないので、それに対する価値観が合っていないまま採用されて現在に至っている可能性があるのです。挨拶?清掃?仕事はきちんとしているんだからいいだろうという態度でいる社員に対する再教育が必要になります。 荒療治が必要な時もある 今では地域になくてはならない企業へと成長した埼玉県の石坂産業ですが、現在の石坂典子社長が就任した時は、経営危機に加えて挨拶もろくに出来ない社員たちが大勢いました。暗くて汚い会社を元気でまともな会社にしたいと考えた石坂社長は、やさしくする前に厳しく社員に接していきました。石坂社長就任時は、いわゆる世間で想定される旧態依然とした産廃業者のイメージが色濃く残っていました。そこでまずは基本的な躾を励行できる体質の会社へ変革を始めていきました。 挨拶の徹底などトップダウンで厳格な社内ルール化を施し社員へ実践を投げかけていきました。従わない社員が続出し退職者する者も少なくなかったと回想されています。全員が幸せ軸の素晴らしさに気づいて、行動変革を自発的にしてもらうことが理想ですが、場合によっては同社のようなファーストコンタクトも必要になるかもしれません。古い仕組み、体質、悪い習慣を例外なく整理対象としていったそうです。現場で作業している社員ができるようになったらルールが浸透したと判断していったそうです。ただ一方的に強権発動していった訳ではありません。経営改革に当たっては社員に何でも云ってほしいと石坂社長は考えました。そして嫌だと思っていることを一つ一つ改善していくという姿勢で臨みました。本気で社員と共に幸せな会社をつくりたいという気持ちがぶれなければ、共感共鳴してくれる社員たち必ず行動を共にするようになっていきます。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

幸福追求型経営を本気で実践する

いい会社づくり、何から始めるか 2

時代の変わり目にあり、これからは業績軸から幸せ軸へ軸をずらしていくことの大切さに気づいたら、まずトップ、リーダーが本気で幸福追求型の人本経営を実践しようと心に誓い行動していくことです。ではベンチマークをしてみましょう。 いい職場をつくることに本気になること。まず自らが率先していく。燃えさかった炭でないと、隣の炭には火は移らない。2年くらいかけてよくするつもりで臨む。 これはファースト・コラボレーションの視察時に武樋社長が口にされていた言葉です。まず自分が真っ赤に燃え盛るくらい人本経営を成功させることに打ち込んでいないと周辺にその思いは届かないということを表現されています。炭火が移っていくという表現は見事で、まさしく人本経営の浸透はそんな感じで会社の状態を変えていくものだと感じます。 経営の優先順位の最上位には「儲ける」ではなく「愛」がある。 こう言い切ったのはリラクの江口社長でした。業界の中でおそらく最も低利益率な企業だと江口社長は自覚しています。その理由は、労基法を順守し1分単位で残業代を支払っているからと話しています。そして業界ダントツの高納税企業でもあるとさらに続けています。それが当たり前の状態だと考えています。何故ならば、「自分にとって経営の最優先に“儲ける”はないのです。」と明快でした。新しい経営を実践していると心から共感いたしました。この損得よりも善悪で物事を考えていくという判断軸は、幸福追求型の人本経営では、かなり重要な価値基準になります。 善悪で判断すると次にすべきことがみえてくる 日本でいちばん大切にしたい会社大賞にも輝いた香川県の徳武産業の十河孝男会長も「どんな判断をするのか上から神様が見ている。損得ではなく善悪で判断して行動していく。すると次にすべきことがみえてくる。」と確信的に語られています。バリアフリーを施しているのに入居者の転倒事故が相次ぐ老人ホームから「年寄りが躓かないクツ」をつくってくれと要請され、500人のモニタリングをして、「あゆみシューズ」というヒット商品をうみ出していきました。すると、病気で足が腫れあがってしまったユーザーからサイズの違う片方のクツだけ売ってくれと要請を受けました。業界ではそんな非常識で非効率なことはやりません。しかし、十河会長、見ておれぬと引き受けます。また歩けるようになったと感激の声が同社に届きます。いつしか、その声は千、万になっていきました。そして、介護シューズという世の中になくてはならない新たな市場になっていきました。現在、徳武産業は50%のシェアを誇ります。損得で判断していてはけっして得られなかった富といえるでしょう。幸福追求型経営の典型的成功事例です。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

喫緊の課題となってきた幸福追求型経営の実現

いい会社づくり、何から始めるか 1

戦後、社会の中心的価値基軸であった業績軸の経済至上主義が脱の時代を迎え、ポスト資本主義社会が色濃くなってきています。 マイナス金利~現実化するポスト資本主義 変化は昨日、今日、明日の連続で発生していますので、日常生活に埋没しているとなかなか意識できにくい感覚がありますが、さすがに「マイナス金利」政策の導入には、多くの方が世の中がパラダイムシフトしていることを実感させられたのではないでしょうか。70年ごとに社会的価値基軸が大変化するといわれている日本。明治維新、終戦・・・過去の70年周期では、それまで社会を支配する絶対的価値観と思われていたものが瓦解して、全く違う社会に生まれ変わっています。明治維新では封建主義が終焉し近代国家が勃興していきました。先の大戦敗戦を契機に軍国主義が滅亡し経済大国へ変身していきました。明治維新では、殿様という絶対的な価値観が亡くなりました。終戦により大日本帝国という国そのものが消失してしまいました。今回のポスト資本主義(業績軸から幸せ軸へ)のパラダイムシフトでも同様のことが起きることでしょう。 急速に消滅していくことが予測されるもの すでにその兆候がそこここに現出していますが、資本主義社会では中心にあったものの、これから存続が困難になるであろう存在の例として次のようなものが考えられます。 拡大再生産を極め、変化できない大企業 資本主義の枠組みでしか発想できない金融機関 持続可能性を高めることが出来ない金融市場 拝金主義的な仕組みや職業 バブル崩壊やリーマンショックでは不幸になる人が続出しました。その要因をつくっているのは株式市場です。実体とはかけ離れたところで株価が乱高下して、それに翻弄される人々。およそ幸せとはかけ離れた状態です。現在の株式市場は時代と共にその役割を終えていく可能性は決して低くはないでしょう。 新しい時代に生きる覚悟をする これから変化に対応していくためにはどうすればいいのでしょうか。幸いにも、その答えがあります。失われた10年といわれた2000年前後に、この抗いがたい社会環境の大変化を察知して、経営を経済至上主義の業績軸ではなく、幸福創出目的の幸せ軸の人本経営にパラダイムシフトさせた企業が、今、あらゆる業界で燦然と輝き出しているという事実です。業績軸で物事を発想していると暗澹たる気持ちになりますが、幸せ軸で未来創造をしていくと世の中がバラ色に感じられてきます。 人本経営成功企業をベンチマークすることが、今、極めて大事 企業が他社の優良事例を分析し、学び、取り入れる手法のことをベンチマークといいます。拡大再生産を目標とした業績軸の経営と、人の幸せ追求を目的とする幸せ軸の経営は、そのあり方が真逆といって差し支えないくらい違います。だからこそ、歴史的変革期の今、幸せ軸で幸福追求型の人本経営に成功した先駆的企業をベンチマークすることは、極めて価値のある経営課題となっています。では次回以降、何から始めていくかということについて考察していきます。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

メンタルを改善する職場環境

幸せ軸でみるメンタルケア 5

政府は義務化されたストレスチェックを実施した後、分析結果をもとに職場環境を改善することを努力義務として推奨しています。政府推奨の57問のストレスチェックの質問項目から導き出される結果を予測すると、おそらく「コミュニケーションを良くしましょう」とか「上司がもっと部下をサポートしましょう」「業務の負担を緩和しましょう」などといった一般的なことが導き出されると考えられます。 脳生理学でみる強いストレスの要因 ストレスを改善して職場環境を整えるには、人間の脳を考えてストレスの根本的な要因を考えていく必要があります。筑波大学名誉教授・宗像恒次博士の研究によると、メンタル不調につながる強いストレスとは、脳内にある感情の発電装置といわれる「扁桃体(へんとうたい)」という部位が、慢性的に過剰に興奮している状態から作り出される、としています。ではこの扁桃体はなぜ、過剰に興奮するのでしょう。扁桃体には、周囲の人の「険しくとげとげしい目や表情」「ピリピリした声」などに、激しく反応し興奮し恐怖感情を発生させる、という特性があるからなのです。経験的にご理解いただけると思いますが、とにかく毎日余裕なく数字に追われている会社とか、短納期に追われている会社とか、規模拡大を至上命題にしている会社とか、上司が権威主義的な会社とかは、上司や周囲の人の表情がとげとげしくピリピリした声が飛び交っています。 こういう会社ではメンタル不調が続発しているのです。復職してもすぐに再発するのです。現在、メンタル対策にかかわる多くの医療職や心理職の方々は、扁桃体のこの特性を知っている方はほとんどいないか、知っていても何をすれば扁桃体を鎮静化できるのかが知られていないのが現状です。そのためにほとんどの企業で再発を繰り返しています。ちなみに弊社が行っている扁桃体興奮を鎮める心理トレーニングを導入した某上場企業では3年半うつ休職者の再発0%という結果が出て、この企業の産業医が学会発表しています。 最も重要な職場環境改善とは、上司が笑顔になること 実は、ほとんど知られていませんが一番重要な職場環境改善とは、上司や周囲の人の「表情」を笑顔にすることなのです。上司や周囲の方々の「表情」が笑顔で穏やかで、ホンワカであったかい「声のトーン」が飛び交っている会社。こういう職場にすることが本当の職場環境改善となります。つまり働く人が、幸せな気持ちになれる職場つくりが重要で、そのための企業風土改善であり、上司や周囲の方々が自分自身のストレスを解決し笑顔を取り戻せる自己解決力を高める教育を行うこと。これが本当の意味での職場環境改善といえます。トレーニング方法にご興味ある方はお問い合わせください。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

個を生かす適材適所配置へ

幸せ軸でみるメンタルケア 4

2015年に義務化されたストレスチェック制度で政府により推奨されている57問の質問項目には、なぜ本人が高ストレス状態になるのかという原因について、「仕事量が多い、負荷が重い、作業環境がよい悪い」とか「周囲のサポートがある、ない」「相談者がいる、いない」などの外部要因を問う質問はありますが、本人の内部要因を問う質問がありません。 ストレステストでは職場環境改善はできない?! 筑波大学大学院でメンタルヘルス不調原因の研究を行った山本美奈子博士の研究によると、メンタル不調の原因とは外部要因より、圧倒的に本人の内部要因(周りの目を気にし本音を言えない行動特性)にある、との研究結果を発表しています。メンタルヘルス不調は、環境要因よりも圧倒的に本人の性格により引き起こされるのです。このことから考えると、義務化されるストレステストでは本質的な問題にアプローチできていないこととなります。実施後の結果を踏まえて職場の環境改善を行うことが努力義務とされていますが、やらないよりは良いと思いますが、これもあまり本質的な改善策とはいえません。 扱い方により才能が開花する。 解決策は2つあります。一つ目は「周りの目を気にして不安になる」という本人の感受性が敏感すぎる課題を改善する、というメンタルトレーニングを行うことです。方法については説明のスペースがないのでここでは触れませんが、感受性の敏感すぎる課題を改善すればメンタルタフネスが強化されることになり、メンタル不調は改善されそれどころか積極的に行動するようになり対人関係力も強化され、業務効率が向上することでしょう。二つ目は、本人のパーソナリティを細かく分析する診断テストを使って分析し、正確な業務適性を本人自身に理解させ、また会社にも本人を「活かす働かせ方」を実践してもらうことです。今までの日本企業のマネジメントでは、個人の特性を生かした「働かせ方」をほとんど考慮してきませんでした。性格が内向的・几帳面、人間関係が上手ではない、繊細な感性、発達障害っぽい性格、など一見、メンタル上よくないと考えられそうなこれらの性格傾向は、要は「使い方」を理解して適切に仕事をさせると「才能」に変わります。その意味では、今までほとんど行われてこなかった業務適正を把握するためのメンタル用の診断テストの導入は今後重要となります。ご興味ある方はお問い合わせください。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

ストレスチェックと元気な会社

幸せ軸でみるメンタルケア 3

あまり知られていないことですが、2015年12月1日から義務化された政府が推奨しているストレスチェック(57問、簡易版23問)は、明確な科学的根拠に基づいて作成されたものではありません。どういうことかというと、このストレスチェックで高ストレス者だと判定されたとしても、この結果が明らかに「悪い」と断定できる科学的根拠が明確ではない、ということです(労働基準監督署に確認済)。ストレスには、人を絶望的な気持ちにさせる「悪いストレス」と、やる気やチャレンジ意欲を高める「良いストレス」の2種類があります。このストレスチェックで判定された高ストレスというのは、この2種類のストレスが混ざって判定されてしまうのです。 2種類のストレスを生み出すもの 筑波大学大学院でメンタルヘルスを研究した山本美奈子博士によると、メンタルヘルス不調を引き起こす原因は2つあります。一つは外部要因でこれは「人間関係」や「長時間労働」などの環境要因を意味します。もう一つは「本人が本音の気持ちを率直に表現できない」という内部要因で、実はこの内部要因のほうが外部要因より圧倒的に因果関係が強いのです。結論をわかりやすく言いますと、本音の気持ちを率直に表現できる能力の高い人は、メンタル不調になりにくい、つまりストレスを良いものとして認知しやすく、やる気やチャレンジ意欲を高く持ちやすいことがわかっているのです。本音を率直に言えない人は、ストレスを悪いものとして認知しやすくメンタル不調になりやすいのです。 あるがままを発揮する大切さ 本音の気持ちを言えることがメンタル不調を防ぎ、モティベーションを向上させます。メンタル対策とモティベーションアップは表裏一体で同じことなのです。本音を言えるとは、その人が「あるがままの自分を発揮する事」と同じ意味です。つまり対策としては2つあり、本人に「あるがままの自分を表現させる技術」を身に着けさせること、そして会社としては社員が「(可能な限り)あるがままの自分を発揮させる環境」を作ることです。いくら環境がよくても前者のほうがメンタル不調には因果関係が強いので、前者の教育を行うことがメンタル予防やモティベーションアップにはとても重要なことになります。

  • 2020.01.13
  • 実践ヒント

良いストレス悪いストレス

幸せ軸でみるメンタルケア 2

ストレスという言葉を聞くと、多くの方が「悪いもの」という連想をすると思います。しかし、私たちストレス科学を専門とする者からするとストレスとは、悪いものばかりではありません。それどころか「良いもの」でもあるのです。ある程度の年数のビジネス経験を積まれた方々ならお分かりと思いますが、仕事で一定の経験を積むと、少しづつより大きな責任ある仕事を任されたり、より専門性の高い仕事を任されたりします。これはストレスです。しかし、このストレスは果たして悪いものなのでしょうか。 良いストレスとは 仕事を続けていれば、これらのストレスに出会うことはある意味誰もが経験する必然です。これらの難易度の高い仕事を乗り越えることができると、私たちは自分に自信がつくし充実感を感じることもできるでしょう。時には幸せを感じることもできると思います。しかし、乗り越え方がわからずしかも誰にも相談できずに長期間一人で抱え込むと、メンタルヘルス不調に陥る可能性は高いでしょう。こうなるとこのストレスは悪いものになるのです。医療はストレスを悪いものとしてとらえがちなので、ストレスは良いものという発想はあまりありません。この発想は経営者や人事担当者が自発的に持つ必要があるのです。要は仕事上必然的に出会うストレスに対し、乗り越え方を身につけさせていくことが会社として重要なのです。 乗り越え力を高める方法とは 2つの方法で高めることが大切です。まずは本人に、ストレスを乗り越える考え方や技術を教えていくということが重要です。細かいテクニックはここでは述べませんが、目の前のストレスを乗り越えた先に得られる自分のメリットについて知ってもらうことは大事ですし、これを乗り越えた時、だれが笑顔になるのかをしっかり理解してもらうことも重要です。自分の頑張りが他者への貢献になっていることを多くの人は知りませんが、このことがわかるとモティベーションが変わります。また、本人が能力を発揮できるよう会社が環境を整えることが重要です。たとえば、本人の適性を見極めた適材適所配置や、チャレンジした失敗を許す考え方、部下の能力を引き出すための上司への教育、など。ここは人を大事にするという人本経営的な発想が経営者にないとできません。 この2つを組み合わせることで、働く人はストレスを「自己を成長させてくれる良いもの」と認識できるようになるのです。